トーカロ株式会社

自社社内ナレッジを活用したい会社に最適な選択肢。レビューのやり取り含め情報をLAWGUEに一元化し、効率化を実現

INTERVIEWEE

清水 浩 様、井上 貴善 様

管理本部 経営企画部

金属やセラミックスなどの粉末材料を高温で溶かした微粒子を対象物に吹き付け、コーティングする溶射技術。トーカロは、この溶射技術を中心とした表面処理の専門メーカーとして顧客から製品や生産設備の部品などを預かり、表面処理によって新しい性質や機能を付与することで、製品・生産設備の長寿命化や生産効率向上に貢献しています。

専門性の高い事業を展開する同社では契約も複雑になるケースが多く、レビューの品質向上と効率化が課題となっていました。以前は他社のAI契約書レビューツールを利用していましたが、なぜLAWGUEの導入に踏み切ったのでしょうか。契約業務を担当する管理本部 経営企画部の清水様、井上様にお話を伺いました。

  

  1. 課題
    • 契約書レビューに加え、覚書作成の効率化や自社ナレッジの活用にも注力したかった
    • 文書レビューの品質向上やケアレスミスの削減を目指したかった
  2. 導入
    • コメント機能や条文検索機能で社内のナレッジを活用できそうな点が決め手に
    • 新旧対照表の自動生成等、細かな作業の効率化イメージも持てた
  3. 効果
    • 契約書審査業務の全体を通して1/3程度の時間削減を実現
    • 参考にしたい条文を見つけるのに時間がかかるストレスからも解放された

活用のポイント

  • 修正背景やレビュー内容をコメントで残して蓄積
  • 社内へのレビュー依頼も通知機能を活用してLAWGUE上で完結
  • 共同研究契約など汎用的な雛形では対応できない契約書も、過去ナレッジの活用で審査しやすく

自社の審査基準が確立されてきた中で、社内ナレッジの蓄積や品質向上が課題に

清水様、井上様が所属される経営企画部では、どのような契約書を扱われているのでしょうか?

井上様:主に扱っているのは、取引基本契約や秘密保持契約、共同研究契約、共同出願契約です。専門用語や技術内容の理解が必要になるため、営業担当や研究部門の担当者に背景などをヒアリングしながら契約書の審査を進めていきます。審査に携わる人員は3名おり、一次チェックを私ともう1名、二次チェックを清水が担当し、だいたい月間20件程度をレビューしています。

貴社のような専門性の高い事業を手がけられている企業の場合、高度な契約が必要になるように思います。普段はどのような点に気をつけて契約書をチェックされていますか。

清水様:表面コーティングの専門メーカーならではの難しさがあります。

コーティングというのは、それ単体ではなく何かと一緒になることで価値を生み出す商品です。ゆえに、お客様の製品に表面加工するための共同開発などを行うことが多くあるのですが、コーティングも含めた製品全体が特許の対象になることもあります。

この場合、自社でもともと保有していた独自技術と共同で開発した技術との混同が生じやすくなります。契約書の審査時もそういったケースを想定しながら、契約内容を工夫しています。

LAWGUEの導入以前は、契約書作成関連業務においてどのような課題を抱えていましたか?

井上様:コロナ禍で在宅勤務が増えたこともあり、リモートワーク体制における業務効率化を目的として2020年から他社のAI契約書レビューツールを利用していました。

ただ、2年ほど利用して自社基準の契約パターンが確立されてきたことで、AIレビューを活用した審査業務の効率化よりも、文書の品質向上やナレッジの蓄積、文書管理等による効率化の重要性が高まってきていました。ですので、契約書の作成や二次チェックの負担をいかに減らしていくかや、自社基準を元にしたレビューの効率化などが課題になっていたかと思います。

LAWGUE導入の決め手となったポイントを教えてください。

井上様:主に3点あります。まずは、条項単位で内容を比較して編集できる文書比較機能です。過去の契約を参考にレビューや修正を行う機会が多いため、検索等で簡単に見つけられる点に魅力を感じました。

2つ目は、新旧対照表をワンクリックで出力できる機能など、契約書の作成、編集を効率化できる機能が豊富だった点です。表記ゆれなどもわかりやすく表示してくれるので、そういった細かな編集作業を効率化できるイメージを持てました。

3つ目ですが、コメント機能もポイントでした。従来は、レビューの際に気になった点があればメールでやり取りしていましたが、LAWGUEでは文言や条項単位でコメントを付けることが可能なだけでなく、メンション機能で通知もできるので、コミュニケーションの手間が省けると考えました。

清水様:以前は、そうしたメールでのやり取りを検索するのにも時間がかかっていました。LAWGUEなら自分の担当でないものまで含めてレビュー時のやり取りがツール内にすべて入っているので、過去にどのような対応をしているのか探せるようになったことはありがたかったですね。一般的に認識されているAI契約書レビューツールとはコンセプトが異なり、社内のナレッジを活かせるという点に惹かれました。

レビュー時のやり取りが蓄積されると、作業効率が上がるだけでなく安心感にもつながる

導入時に決められた運用ルールはありましたか。

井上様:できるかぎり文書はLAWGUE上にアップロードしていこうという意識は全員で揃えていました。ただ、具体的な利用方針は実際に使いながら決めていきました。

現在、LAWGUEをどのように利用されていますか。

井上様:PDF、Word共に、LAWGUEにアップロードできる契約書はすべて審査の段階で取り込んでいます。フォルダは「秘密保持契約」「取引基本契約」「その他」というように文書類型で分けて作成し、各文書は「相手先企業名+契約書名」というタイトルを付けています。
手を加える際は、変更履歴を記録する機能を使いながら修正を進めていきます。

さらに、修正理由などをコメント機能を使って入力した後に、通知機能(@をつけてユーザーを指定することで通知を飛ばせる機能)で清水へ確認を依頼。そして清水が二次チェックを行い、必要に応じて履歴とコメントを残して修正、またメンションで返事をするという流れになります。

また、LAWGUEにはステータス管理機能もあるため、レビュー依頼をしたら「レビュー中」に、最終版は「完了」に変更するなど、こちらもルールを決めて運用しています。

清水様:ちなみに取引基本契約の場合、お客様からいただいた雛形には手を入れず、修正条文だけを覚書に切り出して締結することが多いです。このような形で覚書を締結するのは、契約内容の変更を受け入れてもらうハードルを下げるためです。ただ、作業としてはLAWGUEでレビューした雛形をダウンロードして覚書を作り直すというプロセスが発生しているため、効率化の余地はまだあると考えています。

ナレッジのシェアに関しては、LAWGUEが役に立つ場面はあるでしょうか。

清水様:「覚書の内容がなぜこうなっているのか」等がコメントとして残っているのは、ナレッジのシェアという観点で非常に有益だと感じています。商品の共同開発などにあたって締結する共同研究契約、共同出願契約などは個別性が高い契約も多く、過去にどのように契約したのか、その時にどのような意図でどういった条文にしたのか、が非常に重要なナレッジになります。

さらに、自分でも忘れてしまうことがあるので、どういう考えで修正したか後で振り返るためにもコメントを残しています。LAWGUEの中にきちんと記録が残っているという安心感がありますね。

井上様:取引の詳細がわからなければ契約リスクの大小の判断もしづらいため、コメント内には営業担当からのヒアリング内容も残すようにしています。営業担当とのやり取りがメールだけに残っていると検索しづらいですが、LAWGUEに一元化することで二次チェック者との共有や後からの確認がスムーズになりました。

条文検索にかかる時間とストレスを大幅に削減

LAWGUEの導入効果を定量的・定性的観点からお聞かせください。

井上様:過去の文書や条項の検索と比較、レビューのやり取りの簡易化等によって、社内受付から合意形成までの契約書審査業務の全体を通して1/3程度の業務時間削減につながっていると感じています。50〜60条あるような契約書では、過去の文書を検索しながらレビューするのに丸一日かかってしまうことも稀にあったのですが、LAWGUEがあることでそういった負荷は軽減していると感じます。AI-OCR機能によってPDFや紙の契約書をそのまま取り込んで編集できるため、条文を手打ちする手間もほぼ無くなりました。

また、契約書の雛形を改訂する機会があったのですが、その時にも便利さを実感しました。改訂にあたっては稟議のために新旧対照表を作成するのですが、以前は手動で作っていて時間がかかったり、エクセルで作って非常に見にくくなってしまったりしていました。LAWGUEでワンクリックで生成できるようになったのはよかったです。

清水様:条文を修正する際に類似性の高い条文を検索したいというニーズがあるのですが、LAWGUEの場合は条文単位、キーワード単位で過去の契約書から探せるため、検索時間をかなり短縮できました。文書単位での検索だと類似する条文を探し出すのが難しく時間がかかりますし、最終的に見つからない場合にはストレスを感じます。条文検索を効率化できたのは、嬉しいポイントでした。

トライアル期間を含め1年ほどご利用いただいていますが、導入前の課題は解決されましたか? また、積み残した課題などあれば教えてください。

井上様:時間短縮や品質向上といった課題は解決できていると思っています。ただ、現状では相手方に対する一次回答での活用が中心になっており、その後覚書のやり取りのデータがうまく蓄積されていないことは課題です。覚書のやり取りは取引基本契約とは別契約としてのバージョン管理になってしまうので、取引基本契約との紐付けをどうしていくべきか検討しているところです。

機能のアップデートで導入時より使いやすく!さらなる効率化を実現

サポート体制についてご意見をお聞かせください。

井上様:導入にあたってはデモンストレーションをベースに丁寧に説明していただいたので、すぐに慣れることができました。また、定期的にミーティングの機会を設けていただき、開発状況や改善要望、感想などを共有しています。サポートは手厚いという印象です。

LAWGUEは随時アップデートを行っていますが、導入時以降で便利になった機能はありますか。

井上様:変更履歴の記録は待ち望んでいた機能でした。内容を訂正したい場合、導入当初のLAWGUEでは取り消し線を引いて追加した部分に色を付けるという運用を行っていました。変更履歴機能が追加されてからは、そのまま修正するだけで記録が残るので工数が削減されています。改善要望としても出していた部分だったので、実装されてありがたかったです。
アップデートも頻繁にあり、日々使いやすくなっています。

清水様:以前は修正前と修正後の差分を確認するためにウインドウを2つ並べて見比べながら編集作業を行う場面もありましたが、1つの画面上でどこをどのように修正したかわかるようになったので、二次チェックを行う際にも便利です。

LAWGUEはどのような方におすすめの製品だと思いますか?

井上様:自社基準に沿った形で文書を修正していく方針をとっている会社であれば、効率化が図れると思います。法的リスク等の一般的な観点でのレビューはもちろんですが、各社に自社独自の基準や観点があると思います。過去文書をデータベース化することで、それらを参考にしながらレビューしやすくなると感じています。

清水様:ツールによってコンセプトやできることに差があり、それぞれ良さがありますが、自社基準での審査やナレッジの蓄積、編集やレビューのやり取りの効率化等が重要な場合はLAWGUEが合うのではないでしょうか。

現状、当社ではレビューのやり取りもLAWGUE上で行っており、ナレッジの蓄積も進んでいます。今後エディタとしての利便性がさらに向上し、業務に欠かせないツールになってくれるのではないかと期待しています。